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2012/02/15

韓国ソウル舞台観劇記 その4

「パルレ」

この作品は2月現在日本でも三越劇場にて上演されている。
タイトルの意味は「洗濯」。
日本版には四季の後輩の木村花代、上田亜希子らが出演しているのだが、
これは自分のブログに紹介したのでそちらをご覧いただきたい。

そのオリジナルカンパニーを観劇。
劇場は約180席のキャパシティ、だがやはり間口が広い。
三越劇場でもセットをほぼ同じ寸法で組んでいたと思われる。
違うのは客席の密度、そして観客。
上手前の雑貨屋のようなセットの入り口から例によって前説役者が登場する。
この俳優が実に達者でこの舞台全般を引っ張っていくのだが、
ここではまだよくいるおっさんのタイプである。

田舎からソウルに出てきた若い女性ナヨンが屋上の物干し場で洗濯物を干している時、
向かいのアパートの屋根部屋に住むソロンゴと出会うところから話が始まる。

やっぱりここでも屋根部屋!?
ソウルでは結構一般的に有るものなんだろうか?
もっと街を歩いていた時にビルの屋上に登って見るべきだったか?
ソロンゴという若い男性はモンゴルからの留学生だと云う。
韓国で金を稼いで国に帰る事を夢みてソウルにやって来た。
ナヨンは下着などを干しているところを彼に見られ、気まずくぎこちない出会いをするふたり。
こんなシチュエーションはもう日本ではリアリティが無さすぎて
通らないだろうと痛感。昔の日本映画みたいなシーンである。
何より演じる方も観る方も「恥じらう」という感情がなければ成立しない。

それはさておきナヨンの隣人たちにも濃厚なキャラクターの人物が配されている。
水商売的な印象のかなりトウの立った年頃の女とそのヒモ男。
偏屈そうな管理人のおばちゃん。
そして何故か開かずの扉の隣の部屋。
時折その部屋から奇声が聞こえたりしている。

ナヨンの勤め先の本屋にもクセ物のキャラクターが満載である。
傍若無人な書店の社長、気の弱いその息子、同僚たち。
この書店の社長が良く居るタイプの実に嫌味な人物なのだ。
気に入らなければ即刻解雇や左遷をして正しい判断と信じて疑わない男である。
ナヨンの先輩女性社員の不当解雇に文句をつけたために
自分まで左遷されて散々な目に合った彼女は仲間とやけ酒を飲んで
帰ってきたところで再びソロンゴと道で会う。
彼も働く工場で給料未払いなどの差別待遇を受けて苦しんでいた。

ストーリーはこの後、モンゴル人に対しての人種差別や
管理人のおばちゃんの過去の不倫関係で産まれた障害児の存在など
ヘビーな設定がどんどん明らかになっていくのだが、
軽快なミュージカルナンバーがそれを払拭する。

書店の社長、工場の主任、どうしようもない裏町の酔いどれ親父などを
先ほどの前説を担当した役者が演じ分ける。
おばちゃんを演じる女優も他の幾つもの兼ねているがこれも30代の女優で素晴らしい。
哀愁、後悔、諦め、覚悟といった心理の流れが
全部詰まっていてしかも決してやりすぎる事が無い。

役者は8人。
今回観た中ではこれが一番多いキャストだがそれだけに役も数が多い。

台本が良く、笑わせて泣かせて最後には希望を残すという王道の演出。
何故か、昔、大阪なんば花月で見た「吉本新喜劇」を
練りに練りこんでミュージカルにした様な印象を受けた。
まさか吉本が下敷きになっている筈などないだろうが、
人間の悲喜劇を描くとアメリカなら例えばテネシー・ウイリアムス作品みたいに
なるところがこういう形になるのはやはり同じアジア人の血統なのではないだろうか?
しかし役の演じ分けをこんなに楽しそうにやれるのは韓国の役者はすごい。
日本のスターシステムの商業演劇では配役がとても困難だろうなどと
おせっかいながらも感じた舞台だった。

広瀬彰勇

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Artist Company 響人第6回公演

『La vie en Rose』

2012年4月18日(水)~25日(水)

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作:中山大豪
演出:吉原光夫

出演:山崎佳美/和音美桜
   香川大輔 栗原英雄 高橋卓爾 種石多喜人
   西山聖了 広瀬彰勇 藤井健太郎 中ノ瀬由衣

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料金:指定席 前売券 4500円/当日券 5000円

前売開始:2012年2月13日(月)10時

ご予約などの詳細はこちらをご覧ください。

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コメント

はじめてコメントさせて頂きます。昨年9月には広瀬さんの「ザングラー」は観させて頂いていますが♪
昨日、退団後の木村花代さんが気になって、日本版「パルレ」に行ってきました。
韓国の現実に近いのか、過去の話なのか、テーマは重くて深いけれども、泣けて笑えて、とても良い舞台でした。
役者の皆さんも生き生きと演じられていて、観劇後はなんだか爽やかな気分で帰りました。
もともと四季の舞台を観る事から始まった私の「観劇生活」ですが、退団された方々の活躍が気になりだし、観劇の巾と新たな楽しみが広がってきました☆
もちろん『La vie en Rose』も行きますよ!!「響人」に足を踏み込むのは初めてです!楽しみにしています♪

k様

はじめまして。
『La vie en Rose』で初めて響人をご覧頂くということで、
本当にありがとうございます。
皆、色々思うところあって古巣を離れましたが、
こうやってまた、劇場でお会いできることを楽しみにしております。

韓国は本当に演劇が盛り上がっていて、
お客様が新鮮さをもって、それを楽しんでいること自体が
韓国のお芝居の魅力一つかと思います。
かつて私たちと同じ舞台に立っていた俳優も
かなりの数が韓国の舞台でも活躍しています。

それにしても、また劇場でお会いできることが本当に嬉しいです。
こうやって再会した皆様にも、ご満足いただけるような
良い舞台になるよう日々精進いたします。
これからものArtist Company 響人をよろしくお願いいたします。

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