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2012/02/02

韓国ソウル舞台観劇記 その2

「屋根部屋の猫」

大学路(テハンノ)は日本の下北沢と
ニューヨークのオフ・ブロードウェイを合わせた感覚の街。
小冊子に紹介されているだけでも何と145もの小劇場が有る。
午前中から若い学生風の男性や女性が今日の舞台のチラシを通りで配っている。

今日の作品は昨夜東海テレビのK氏から勧められて、
全く予備知識の無い状態で観劇するものである。
チケットを購入し、地下への階段を降りると
30分前だというのに狭いロビーは若者で溢れていた。
皆、小さなメッセージカードに何か一言記して箱に入れている。

客席はおよそ100席、椅子はパイプではなく段差のついた桟敷に、
温泉旅館などの座敷にある木製の座椅子が固定され、
その上にクッションが置いてある。
これなら背もたれもあり、なかなか効率的。
客席も舞台もサイズは日本の小劇場とほとんど変わらないが間口が広いようだ。

オンタイムで開幕、ひとりの若い男性が現れる。

「こんにちは~!」ではなく、もちろん「アンニョンハセヨ~!」

「元気がないですね、もう一度!」「アンニョンハセヨ~!!!」

そんな具合で前説が始まった。
これはこの後観た3本のうち2本も同じ様なスタイルを取っていた。
先ほどのメッセージカードが入った箱から取り出した
幾つかの質問やメッセージを読み上げながら客席と交流する。
あらかじめ観客を温めておく手法だが、
みんないとも簡単にほどけて行くのが良く判る。

程よく客席がほっこりした所で本編がスタート。

明かりが入ると日本で昔流行ったボディコン風の
黒い衣装を着た女優がしゃがんでいる。

開口一番「ニャーオ!」よく見るとお尻に尻尾まで付いている。

メスの黒猫らしい。そこへ先ほど前説をしていた男が茶色の衣装で現れた。
ここはビルの屋上、上手に古びた一軒家っぽい建物。
そこに住み着いている2匹の猫。
下手には猫の出入りする穴が開いている。
オスの茶トラ猫とメスの黒猫の会話が始まる。
随分と笑いが起きていたから、皮肉や風刺がたっぷりなシニカルな猫なんだろう。
人間の噂話などしながら、だんだん茶トラ猫が黒猫にぞっこんなのが分かってくる。

そこに人間が登場、女の子である。
いつもそこに居る猫に「あら猫ちゃん!可愛いね~?よしよし」などと
撫でてやっているが、猫は媚を売りながらも実は迷惑そう。
さっさと猫穴に潜り込む。

若い女性は作家志望、いつか村上春樹や吉本ばななの様な
小説家になるんだ!と宣言する。
どうやらここに住む約束になっているらしい。
そこに地方から彼女の両親が上京する。
娘の住まいを見に来たのだ。
この両親はさっきの猫役の二人である。

父親は可愛い娘がこんなバラックの様なところで
暮らすのは不満そうで文句ばかり言っている。

一方、若い男性も登場、管理人のおばさんに屋上の部屋を借りる交渉をしている。
この管理人のおばさんも黒猫の女優が演じている、すごい早変わりである。
おばさん、彼の男性的魅力に惹かれ部屋を貸す事を了解してしまった。

意気揚々と新生活の希望を胸に引っ越しの荷物を持ってやってきた男。
しかし、そこには例の女性が先に入居していた。

このダブルブッキングによって若い男女ふたりの攻防戦が開始される。
最初は鍵を奪いあったり、互いを追い出して籠城したり。
不動産屋に裁定を申し出ても事態が進行しないのに
業を煮やしたふたりは仕方なく一部屋を
ビニールテープで仕切って同居を始める。
一歩でもそのラインから踏み込まない、というルール。

彼女にも男友達は居るのだが、ちょっと頼りないお姉キャラで
彼女よりも男の方に興味を示したりしている。
この役も茶トラ猫君が早変わりで演じる。
そのうち男の方がちょっと嫌味なブランド志向の
彼女を連れ込んだりして騒ぎを起こす。

ふたりの仲はますます険悪になるが、互いに貧しく、
世間から追い出された感を共有する男女は反撥しながらも、
いつしか心を通わせて行く。
その人間達の一部始終を二匹の猫がずっと見守っていた。

他の作品にも共通する事であるが、主役の二人もさる事ながら、
猫で登場した二人がその後あらゆる役を演じ分ける。
従って役者は4人だけ。

まだ20代であろうと思われる役者達は縦横無尽に舞台上を駆け回っている。
日本ではあまり見られないスタイルが確立されているし、
何より役者が自分を魅せる事だけに執着していない。

また、日本でもたまにある「客席いじり」。
これは別に必要なさそうだが、ある程度台本の中に組み込まれていると察した。
観客の方も客いじりをされたくて、そのあたりの席に座っているのでは?
と思わせる部分も有ったが、出来るだけ楽しんでやろう
という気概が感じられる。
劇場を出る観客を観察していたのだが、
客層は圧倒的に若いカップルが多く、
日本でのシネコンから出てくるカップルの様な雰囲気を持っていた。

ちなみにこの作品は2010年4月からのロングランである。
私はこれを響人アンダーグラウンドと
重ねて観劇していたのだが、如何なものだろう?

屋根部屋の猫(옥탑방 고양이)
https://twitter.com/#!/roofthousecat
会場 대학로 틴틴홀

広瀬彰勇

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Artist Company 響人第6回公演

『La vie en Rose』

2012年4月18日(水)~25日(水)

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作:中山大豪
演出:吉原光夫

出演:山崎佳美/和音美桜 香川大輔 高橋卓爾 広瀬彰勇 他

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料金:指定席 前売券 4500円/当日券 5000円

前売開始:2012年2月13日(月)10時

予約方法:
 ★インターネット:後日、専用アドレスを公開します。
 ★電話予約:カンフェティチケットセンター 0120-240-540
    (通話料無料・受付時間平日10:00~18:00)

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受付期間:2月4日(土)10時~2月9日(木)23時59分

料金:4500円

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※チケットのキャンセル・変更は承りかねます。

2月2日までにメールマガジンにご登録いただいたお客様に
専用アドレスをメールにてお知らせいたします。
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